「少し遅れて同じ方向に」
従来から債券の世界では「米国の債券市場と日本の株価との間の逆相関」
は常識とされてきました。
言い換えると「米国債券利回りと日本株とは同じ方向で動く」ということです。
米国の金利政策はわが国以上に機動的でかつその幅は大きいのが特徴とされます。
こうした米国の金利と日本株との関係に高い相関関係を見出すことができるのだと思います。
「「景気後退」入りの可能性も」
「TB3ヶ月ものレートが10年国債の市場利回りを一時的あるいは数ヶ月以上連続して上回れば、それから1年~1年半程度経過した時点で米国はリセッションに陥る」
今回の長短金利逆転をもたらしている一方の理由である「長期金利の低水準維持」には、
従来見られなかったいくつかの背景があることは事実です。
そのひとつは超低金利という事情を抱える日本からの大量の米国債権投資。
ふたつめは人民元相場上昇を抑制するために「ドル買い・人民元売り」を大量に行い続けてきたために
膨大な外貨準備を抱え込むに至った中国が大量の米国国債を購入してきたこと。
3つめは資源価格の高騰でかつてない余剰資金を抱え込んだ資源国が米ドル建て国債の大量取得に向かったことです。
「内外金利差の影響大きく」
円キャリー取引をもたらした最大の原因は、
円金利と欧米金利の差が急速に拡大したことです。
こうして為替相場を決定する要因として一躍表舞台に登場したのが「内外金利差」でした。
過去の例を見ても、日米の短期金利差が3.5%以上になると、その金利差が為替市場に対して与える影響力が急に強くなることが知られています。
世界的な投資マネーのリスク許容度が低くなると、
豪ドルから多くの場合は米ドル経由で円に資金が還流します。
このときにはナスダック市場で投資されていた資金の一部も回収されて円に戻ってきます。
つまりこの過程で、円高・米ドル豪ドル安とナスダック安が進行するわけです。
こうした円高、米株下落を受けて日本株も売られやすくなりがちなのです。
過去2年度の国際金融市場における資金循環を見るに際しての
最大のキーワードは「円キャリートレード」だと思います。
円は最強通貨であるかそれとも最弱通貨あるかのどちらかの場合がとても多いといえます。
さて、これだけ一方的に円相場が両極端に振れがちであることを、
どのように解釈すればいいのでしょうか。
おそらくここでは「円キャリー取引」をキーワードとしておけばつじつまが合うように思うのです。
つまり、昨今のグローバル市場におけるお金の流れは
「円」→「円を除く多くの外貨」(円キャリー取引)か、
もしくは「円以外の外貨」→「円」(円キャリー取引の巻き戻し)というように
どちらか一方向の流れをとることが多いのです。
このようなマネーの流れが主流を占めている限り、
複数の外貨で分散投資をすることによるリスクの分散効果は低下していると考えるべきでしょう。
いわゆるグローバルバランス型ファンドが売れ筋ファンドになっています。しかし少なくとも短期的に見る限り、
「複数の通貨への分散投資によるリスク軽減効果」は相当希薄になっていると考えた方がいいと思います。
「売買代金で強弱を計る」
通常は日経平均と売買代金の推移を比較すると、
日経平均が上昇している時には売買代金が増加ないしは高水準で、
逆に日経平均が下落しているときには売買代金が減少あるいは低迷していることがよくあります。
さらに、日経平均が上昇している中で売買代金が伸び悩みあるいは減少してくると、
反落しやすくなります。
また、日経平均の価格帯別に累計した売買代金の分布から
戻り売りの出やすい水準などを推計することができます。
商いの増加を伴わない上昇は力が弱く、いずれ反落し、
調整局面入りの可能性が高いと考えておく必要があります。
「外国人の先物売買に注意」
外国人の売買で、現物は年金資金やオイルマネーなど
中長期的なスタンスの資金が多く含まれると見られるのに対して、
先物はヘッジファンドなどの投機性の強い資金が多いと見られ、
これが売買の動向に違いが出る要因と考えられます。
外国人の買い越しが目立つと、最低買い残は増加し、
売り越しが目立つと減少しています。
いくら外国人が現物市場で買い越していても、
先物市場で売り越していると、日経平均の上値を押さえたり、反落の要因となり得ます。
今後、先物の動きを見る上では委託販売に占めるシェアが
約7割と高い外国人の動向が鍵を握っているといえます。
このため、投資主体別の動向などから日経平均など相場の動きを見るには、
現物に加えて先物の売買動向にも注目しておくことが重要なポイントと考えられます。
「SQ値の維持、ポイントに」
SQ値とは先物オプションの最終決済日に行われる差金決済に使用される指数のことで、
指数を構成する各現物株の現物相場での始値から算出される指数のことです。
日経平均とその月のSQ値を比較すると、日経平均がSQ値を上回っていると上昇局面となり、
SQ値を下回っていると調整局面となっている場面が多く見られます。
また日経平均のSQ値をみる上ではSQ当日にSQ値を上回っているかどうかだけでなく、
その後のSQ値を維持できるか否かが重要なポイントの一つと考えられます。
「「仮儒」の動きに要注意」
相場を動かす要因として需給面では信用買い残、裁定買い残など
いわゆる「仮儒」と呼ばれるものも少なからず影響を与えています。
三市場信用買い残と日経平均の推移を比較しますと、
日経平均が上昇している時には三市場信用買い残が増加し、
日経平均が下落しているときには減少するなど、
同じような動きを見せることが多いです。
このため、日経平均が上昇している時には
増加している信用買いが日経平均の上昇に寄与します。
一方、日経平均が調整色を強め、評価損益率が悪化した局面では、
信用買いの手仕舞い売りが相場下落につながることも考えられます。
裁定買い残(現物買い、指数先物売り)と日経平均の推移を比較すると、
これも日経平均が上昇している時には裁定買い残が増加し、
日経平均株価が下落しているときには裁定買い残が減少している場面がよくあります。
これは先高期待から先物が買われると、
現物と先物の価格差の拡大から裁定買いが入りやすくなり、
逆に先安感から先物が売られると、現物と先物の価格差の縮小から
裁定解消売りが出やすくなるためです。
このように、現物先物指数である日経平均の動きや、
個別銘柄の動きを見る上では、信用買い残や裁定買い残など
仮儒の推移にも注意を払う必要があります。
「純現金収支をベースに」
企業価値評価の代表的な手法に、割引キャッシュフロー(DCF)法があります。
これは将来生み出すフリーキャッシュフロー(純現金収支:FCF)を一つ一つ今の価値に直し、
合計して企業価値を算定する方法です。
FCFの現在価値の合計は正味現在価値(NPV)と呼びます。
現在価値に直すのは、お金に時間的価値があるからです。
DCF法で使う割引率には加重平均資本コスト(WACC)を使います。
これは有利子負債の利子率である負債コストと株主資本コストを加重平均したものです。
DCF法には落とし穴もあります。
いくつもの前提を置いているため、売上や利益の見通しが甘かったり、
割引率を低く見積もったりすると株価が高く出てしまうからです。